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はしかと風疹防ぐ「MRワクチン」が足りない…メーカーの出荷停止が影響 医師「流行を懸念」優先接種の検討も 福岡

暮らし

6時間前

4月は新入学のシーズンですが、入学前に定期接種が行われる「はしか・風疹混合ワクチン(MRワクチン)」の接種が受けにくくなっています。
福岡市城南区の小児科クリニックでは、取材に訪れた6日も親子連れが診察を受けていました。

院長は子供の診療に加え予防接種などにもあたっていますが、2月からあるワクチンの入手に頭を抱えています。

そのワクチンとは「はしかと風疹の混合ワクチン(MRワクチン)」です。

◆せき小児科・アレルギー科クリニック 関真人院長
「先月末くらいからうちのクリニックは、入荷が滞っている状態。一時的にネット上からの予約は中断して、電話で直接受けるようにしている」
感染力が非常に強く、肺炎や脳炎など重篤な症状を引き起こすこともあるはしかと風疹。

感染を防ぐには混合ワクチンの接種が重要で、1歳と小学校入学前の1年間の2回受ける必要があります。

このクリニックの6日の在庫はわずか3つ。

通常であれば業者に発注して翌日届く混合ワクチンですが、2月に発注した分が未だ届いていないといいます。

朝から接種を希望する電話もかかって来ましたが「入荷次第対応する」としか返答できない状況です。
◆子供の接種控える保護者
「不安ですよね。早く(接種)できるならしたいけど、去年、お兄ちゃんの時がはやり出したので早めに4月1日に打ちました。流行ってたら怖いと思う」

混合ワクチンの不足の原因は、製造メーカーの出荷停止。

国内では3社が製造していますが、このうち1社が去年11月、安全性に問題はないものの予防効果が十分ではないワクチンの可能性があるとして出荷を停止したのです。
院長は接種が進まなくなった場合の懸念をこう話します。

◆せき小児科・アレルギー科クリニック 関真人院長
「ワクチンで発症は予防できるので、ワクチン接種できないと感染する人が発生することが懸念される。ワクチンを打つ人が少なくなると集団としての免疫が落ちるので、海外から散発的に感染した人が入ってきて、広く流行することが懸念される」

全国的にも流通が滞っているといわれるはしかと風疹の混合ワクチン。

できるだけ早い安定供給が待たれます。

■優先接種の検討も
子供の「はしか・風疹混合ワクチン」の定期接種は、1歳で接種する「第1期」と、小学校就学前の1年間に接種する「第2期」があります。

医師によりますと「第1期」の免疫獲得率は95%と高いため、このままワクチン不足が続けばこの「第1期」に該当する子供の優先接種を検討しているとのことです。

厚労省は、医療現場でワクチンが足りていないことを把握していて、期間内に接種できない場合の対応については「状況を注視して判断していきたい」としています。

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